« 続きを隠す ■LEDと電球の違い
LEDは電気で励起された物質が光を放つ現象を利用
いくら電圧をかけても消費される電圧はあまり変わりません
(かけすぎると爆発します)
電球は電圧で明るさが変わりますが、LEDは電流で明るさが変わります
熱くなりません
寿命が飛躍的に長い
ダイオードなので電気が流れる向きが決まっています
同じ明るさなら消費電力はかなり少なくなります
大きさが小さい
色が純粋
■LEDの使い方
LEDは直接電池や電源につなげると電流が流れすぎてすぐに壊れます。注意してください。
電気が流れる向き
向きが決まっています。
通常のダイオードとは違い、光を遮らないように電極が細いので、逆向きに電圧かけるとすぐ壊れます。
向きは足の長さや太さで見分けられます。長いほう、太い方がA(アノード)、短いほう、細い方がK(カソード)といいます。Aがプラス側、Kがマイナス側になります。
透明なものなら電極の形でもわかります。ただ、製品によって電極は違うので加工前に確認してください。
電圧降下について
トランジスタやダイオードは、電極の両側で一般的にはだいたい0.7V位電圧が降下します。
この分、電力を消費しているわけです。
LEDもダイオードですが、もう少し大きくなります。赤や黄色など波長の長い単色系のもので、1.75v位から2.3v位。青や青緑、青に蛍光を加えた白など、3v以上もあります。
カタログや店頭、ページで確認してください。
(実際にテスターではかってみると流れる電流で、若干変動していました。)
明るさは、LEDを流れる電流で決まります。
電流が多く流れると明るく、少ないと暗くなります。
ちょうどいい電流は、ものによっていろいろありますが、5mAから35mA程度までが対応範囲のようです。
各メーカーのページや部品屋の店頭に規格が出ているので、買うときにはメモしておきましょう。
実際には100mA程度は大丈夫みたいですが、寿命が短くなるようなので、なるべく規格以下の電流で使いましょう。
電流の制限の仕方
電圧がある程度一定でき、お安くあげる場合には抵抗を使い電流を制御します。
また、電圧が曖昧なときには定電流ダイオードCRDを使ったり、定電圧回路を使ったりします。
■例題を元に抵抗の値をを計算してみましょう。
条件
電源は9Vを考えてみます。
LEDは赤色、1.75v電圧降下する、30mA(0.030A)定格のものの使用(手元にあったので)。
計算
基本的にはオームの法則を使います。
抵抗は、LEDと電源の間に直列でつなぎます。
すでに書いたようにLEDの両端で電圧が下がります。残りを抵抗で消費させます。
ですから LEDが一つの場合は、残りの電圧は
9V - 1.75V = 7.25V
直列につなぐ抵抗の値は、オームの法則(電圧=電流*抵抗)により計算すると、
7.25V = 0.030A * 抵抗値 ですから
抵抗値 = 7.25V / 0.030A =241.6666....Ωになります。
実際にはこんな抵抗値のものは売っていないので、240Ωを使いましょう。
抵抗には、消費する電力の定格があるので、一応確認すると
電力 = 電流 * 電圧 = 0.030A * 7.25V = 0.2175W
となります。
安い抵抗(炭素皮膜)には1/4Wと1/2Wのものが多くありますが、
ここでは、 1/4W以下のものでぎりぎりセーフ。できれば1/2Wのものを使った方がいいでしょう。
(ちなみに、この電力、すべて発熱に回ります。抵抗が熱くなります。)
LEDと抵抗をあわせた回路全体での消費電力は
9V * 0.030A = 0.27W
です。
応用
LEDをたくさん使う場合には、電源からの電圧の範囲内で直列にすると、消費電力と発熱をおさえられます。
LED一つ足す毎に、電源電圧からLEDの降下電圧を引いていきます。
先ほどと同じ電源とLEDで、できるだけ多く直列に並べると
9V - (1.75V * 5個) = 0.25V
で5個並べられます。
先ほどと同じように抵抗値を計算します。
0.25V = 0.030A * 抵抗値ですから、抵抗値 = 0.25V / 0.030A =8.3333...Ωとなります。
抵抗で消費される電力はぐっと減って、
0.25V * 0.03A = 0.0075W
LEDと抵抗をあわせた回路全体での消費電力は先ほどと同じで、
9V * 0.030A = 0.27W
です。
熱になるエネルギーが光に変わっているので明るさ5倍で電力消費は一緒です。
かなりお得です。
実際には、 電源の電圧が安定しないことが多いのでマージンが必要です。
応用例では、8.75V以下に下がるとLEDが消えちゃいます。
(実際には定格の電圧降下値以下でも、なんとか光るものがあります。電球よりはシビアです。)
実電源の電圧は変動することが多いので、電圧の最小と最大を考えて計算します。
何とか点灯するところから、爆発しない範囲の間に納めます。
抵抗値やLEDを直列につなぐ数で調節したり、 電圧を安定させる回路を追加します。
CRDを使うと、かかる電圧にあわせて抵抗が変わり、電流を一定にできますが、
値段が高いことと、メーカーが少ないので15mAまでのものしかないようです。
試作では?
試作では懐中電灯は抵抗のみですが、ウィンカーは安定化電源回路も併せて組んでいます。
バッテリーレスのSRだと、測定値で6Vから18Vくらいまで電圧が変動していました。
抵抗だけでは、明滅しないようにできなかったのです。
ストップランプは電源用意しなかったので、エンジンの回転にあわせ明滅しています。
電球とは違い、オン/オフを繰り返しても全然平気みたいです。
より明るくしたい場合には、
直列につなげたLEDと抵抗の回路を、並列に並べます。
また、必ず、LEDと抵抗はセットにしてください。
そうしないとLEDの品質のばらつきで、電気が流れやすいところに電流が集中したりして、不具合が発生します。
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