2003年11月14日

(別館から)
「1-1.なるべく燃える火と接触する面積を減らす」で、エンジンの部品がなるべく火に触る面積を減らしたよね。でも、全く触らないわけには行かないんだよ。だから、こんどは材質にこだわるよ。

といっても、材質はプライベーターの手が出るところではないんで、こんなことしてるよって参考にしてね。

まずはスペースシャトルを思い出して。表面に上に白、下に黒のタイルが貼ってあるんだよね。この間の事故はタイルがはがれた為かもって報道あったし、普通の飛行機にはタイルなんて使ってないよね。
シャトルは地球に戻ってくるときに、すごい温度の中を通って来るんだよ。その熱を機内に伝えないようにするためにセラミックのタイルが貼ってあるんだよ。結構重くなっちゃうし、接着してるだけだから、はがれないように気を使うし、大変なんだけど、アルミや鉄ではだめだったんだよ。タイルが熱を遮断できるってことだよね。

熱の説明のところでちょっと書いたけど、材質によって、熱の伝え方が違うんだよ。また、熱で材質が弱くなっちゃう温度も変わるんだよね。そのことをエンジンにも利用できるのさ。
直接火に触るところには、熱くても丈夫で熱を受け取りにくい素材を使い、火から熱を受けないところは熱を伝えやすく冷えやすい素材を使えばいいのさ。

もっとも熱くなるプラグや排気バルブは高価だったり堅すぎて加工が大変でも、熱に強い材質を選んでいるよ。
イリジウムプラグとか白金プラグなんて、ほんのちょっとだけどレアメタル(貴金属)を使ってるんだよ。

排気バルブは熱に強くて丈夫な特殊な鋼を原料にして、傘部分は丈夫になるような表面処理(侵炭素加工や焼き入れ)をしてあるんだよね。ものすごい早さで動かなきゃ行けないし、かなりの圧力も受けるから堅くて粘って、熱に強いことを最優先している感じだね。

ピストンで行われる処理はちょっと変わってるよ。土台はアルミのまま、上面に他の素材をコーティングしてあるんだよ。セラミックの粉か何かの酸化物(平たく言うと錆)だと思うけど調査出来てないや。
この処理、必ず行われているわけではないんだよね。

「1-2.火に触る部品は熱を受け取りにくい材質にする」のお話はここまで。
ピストンに行うコーティング、どこかで頼めるのかな?
ヘッドの方にも出来るのかな?
なんて疑問があるんだけど、わかったら追記するからね。
実はこの課題、うわさではその筋でだいぶホットなんだよね。

さてさて、まだまだ続くよ

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