2003年11月15日

(別館から)
これまでに、何度もオイルが熱を運ぶって話が出てきたよね。エンジンにとって、オイルは潤滑のためだけではなく、熱を運ぶのに欠かせない存在なんだ。そのオイルをエンジンのいろんなところに送り出しているのがオイルポンプなんだ。

オイルがエンジンの血液だとしたら、オイルポンプは心臓みたいなものかな。熱を考えるときには直接、火に触るわけではないけど、ここから送り出してくるオイルの量が取っても大事なんだよ。

オイルポンプは直接エンジンの回転で駆動されている場合とモーターなどで動かされている場合があるんだ。バイクの場合は前者の場合がほとんどだね。
直接駆動されているって事はエンジンの回転数によってオイルの供給量も送り出す圧力も変化するんだよ。

※実はビックシングルのオフロード車にオイルポンプがない車種があるんだ。クランクが掻き上げるオイルだけでエンジン全体の潤滑を行っているんだ。パワーのロスと重量の増加を嫌ったんだけど、変わりに500KMおきのオイル交換が必要になるなど使い勝手の部分に癖があるよ。


プライベーターにとっては、残念だけどエンジンに組み込まれちゃっていると(他の車種のオイルポンプに交換出来る場合を除いて)オイルポンプの送油量を増やすことはほとんど出来ないんだよね。

できることは、組み付けの時に動くところのクリアランスが規定どおりかとか、おかしな摩耗を起こしていないか確認することぐらいしか出来ないよ。四輪車だと、レース用などで強化オイルポンプが用意されていて交換できることもあるけどね。

オイルポンプの能力が上げられないから、そこから送り出されるときにオイルラインで圧力を失わないように、限られたオイルポンプの圧力を無駄なく送り届けることに注意を注いでね。

オイル経路にある段差やバリを取ったり、オイル穴が絞られる場所の入り口をろうと状に広げたりするといいよ。オイルラインそのものを太モノに交換するときは、並行して走るラインがないか気おつけてね。平行してるラインがあると、広げていない方にオイルが行かなくなっちゃうからね。

次はオイルが溜まる場所、オイルタンクだよ。

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